連載エッセイVol.36 「初年次活動センター活用のお誘い」 長谷川 寿一

2010-09-21

久しぶりに駒場Iキャンパスを訪れた皆さんは、一様にその変容ぶりに驚かれる。かの汚くも懐かしい駒場寮が消えた跡地には、二つの著名な建築賞を受賞したモダンなコミュニケーションプラザが立ち、伸びやかな芝生ではフレッシュな1、2年生がくつろいでいる。このコミュニケーションプラザの南、矢内原公園と向き合うガラス張りの瀟洒な建物が初年次活動センターである。

この初年次活動センターは、初年次教育を推進するスペースとして小宮山前総長のお計らいにより2008年度に設立された。面積は80平米ほどと小ぶりだが、20数名が着席できる自由空間とミニキッチン付きオフィスからなる。初年次教育とは、主として新入生を対象として、彼らが大学生活という新しい環境にスムーズに適応し、充実した社会的・学問的体験ができることを目指す教育プログラムを指す。サイエンスコミュニケーションの観点から言えば、このセンターでは、1,2年生に対して進路選択のために生きた情報をface to faceで提供する活動が可能である。具体的には、現在、学部単位で行われている進学ガイダンスをさらにきめ細かく、学科やコース単位で行ったり、各専門分野の魅力や面白さをアピールするサイエンス・カフェなどを催したりするのに格好なスペースである。我が身を振り返っても、初年次に感動した講義が進路を決め、今の自分につながっている。大教室ではなく、飲み物やお菓子を片手に最先端の科学について語り合えば、若者の心をしっかりつかむこと請け合いである。全学からの利用をお待ちします。初年次センターの設備の詳細と利用方法については、ホームページをご覧下さい。

※初年次活動センター:http://shonenji.c.u-tokyo.ac.jp/

2010年7月30日号