概要

科学技術は私たちに豊かな暮らしや楽しみを与えます。その一方で、気候変動、環境破壊、軍事技術、エネルギー問題など科学技術にまつわる課題も山積しています。私たちと科学技術の関係を望ましい形で進めていくために行われるのが、科学技術コミュニケーションです。とりわけ2011年の東日本大震災に続く津波および原子力発電所事故、そして2020年春からの新型コロナウイルス感染症流行を経て、日本の科学技術コミュニケーションは新たな課題が露わとなり、変化する日本の状況に即した科学技術コミュニケーションが求められています。

2005年から開始された東京大学・科学技術インタープリター養成プログラムは、科学と社会の懸け橋となる人材の育成をめざす大学院副専攻プログラムとして、これまでに100名以上の修了者を養成し、世に送り出してきました。この間、科学技術インタープリター養成プログラムは2010年度より教養教育高度化機構・科学技術インタープリター養成部門によって運営されてきましたが、2023年度より科学技術コミュニケーション部門へと名称を変更します。

新たな「科学技術コミュニケーション部門」では、これまでの科学技術インタープリターを養成する教育事業に加えて、科学技術コミュニケーション研究の推進、科学技術コミュニケーションの実践および発信を新規事業として立ち上げました。世に卓越した科学技術インタープリターを送り出すこと(教育事業)、優れた科学技術コミュニケーションのあり方を探求すること(研究事業)、より良い発信を行うこと(発信事業)、これら三者は関連しあい、互いに貢献しあうものです。当部門は、この三事業を通じて科学技術コミュニケーションを包括的に扱います。

本部門の科学技術コミュニケーション活動は、教育・研究・発信のそれぞれの要素が重なりあう性質をもつことが多いです。それぞれの活動は教育・研究・発信のうちいずれかに分類するのが難しいため、上記のようなマトリックスを用意しました。関心のあるカテゴリーをクリックすると、該当する活動をご確認いただけます。

教育研究発信
教育教育する研究×教育発信×教育
研究教育×研究研究する発信×研究
発信教育×発信研究×発信発信する