連載エッセイVol.9 「科学を解釈する仕事」 石浦 章一

2007-09-14

科学技術インタープリター養成プログラムの授業の1つを紹介しましよう。

私は普段はちゃんと研究をしていますが、総合文化研究科ではとにかくいろいろな役が回ってくるので、私を駒場から来る暇な先生、物書き(2チャンネルでの学生の書き込み)、高校生講座の講師、オープンキャンパスでの模擬実験屋、声の大きい文系教授がいる会議でどうしても理系から参加しなければいけないときのダルマ役(参加だけしてじっとしている)などと思っている人が多いようです。そうではないことを、プログラムの学生にも知ってもらうために、プログラムでは以下のような授業をしています。

まず、理系の大学院生でNature誌を全頁読んでない人はいないでしょうから、本当はその中から新しい記事を探し出してわかりやすく紹介してほしいのですが、90分の授業時間内では難しいので、英語の記事をその場で与えます。解説記事もありますし、難しい論文のこともあります。もちろん彼らの前に、ネットが使える卓上コンピュータを置いて、その記事をその場で読んで要約してもらいます。

30分以内で読みながら、面自い点は何か、何が新しいのか、それを人に読んでもらうために何を加えて書けばいいのか、あっと驚く書き方はできるか、などの点に注意して書くのです。書いたらすぐに印刷し、全員に配ります。

ここから講評が始まります。同じ記事を書いても学生によって多種多様になります。実験手法に興味がある人、結果の社会性に重点を置く人、それぞれです。高校生用に、仲間用に、そして一般人向けに、というように標的を変えて書くこともあります。しかし何度か書き直し、書き慣れてくるとかなり上手になるものです。

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2007年9月14日号