市民公開講座「ありんこ・ウォッチング – アリを知ろう!アリを観よう! – 」
足もとにいる、小さな小さなアリ。身近な昆虫であるアリですが、アリの「ほんと」の姿はあまり知られていません。アリは日本だけで300種類もいるってほんと? 女王アリは10年以上も生きるってほんと? アリを観察する方法から、アリの写真の撮り方、そして気になる怖い?アリの話まで。アリのすべてをお教えします。
開催概要
*8月26日(日)開催の第1回「アリを知ろう!」は定員に達したため、申し込みを締め切りました。9月29日(土)開催の第2回「アリを観よう!」はまだ申し込みを受け付けています。(8月18日時点)
第1回 「アリを知ろう!」
第1回は、「アリハンドブック」(文一総合出版)や「日本産アリ類図鑑」(朝倉書店)の著者のお二人を講師にお迎えし、アリという生物についてきちんと理解することを目指します。
- 講義
アリは最も身近な生き物の一つです。野山はもちろん、市街地の公園や花だん、道ばたの植込みや人家の庭でも容易に目にすることができ、小さな子供でも、庭や公園のアリの行列を観察することができます。身近な存在ですが、種数は多く(日本で約300種)、食性や生息場所も種によって多種多様で、他の多くの動物や植物とも色々な関わりを持って生活しています。さまざまなアリが身近に暮らしていることから、私達はアリ類の興味深い生活を容易に覗くことができます。
今回、アリの生態や分布、多様性について概説します。アリの社会生活・食性・生息場所・密度・他の生物との関わり等の概要を提示するともに、近年、急速にクローズアップされている、ヒアリやアカカミアリ等の侵略的外来アリの分布や生態についても解説します。 - 実習
野外や室内でのアリの観察の仕方や写真撮影の方法について、多くの生態写真を使って話題を提供します。また、ヒアリ、アカカミアリ、ハヤトゲフシアリ、アルゼンチンアリ等の実物標本の観察も行います。 - 野外観察
現在、日本では65属約300種のアリが知られ、東京都内の公園や緑地でも多くのアリを目にすることができます。東京大学駒場構内では、これまでに24種のアリが記録されています(寺山・江口, 2014. 新八王子市史 自然編)。種によって営巣場所もさまざまで、土中に営巣するばかりではなく、石下、落葉土層、腐倒木にも巣が見られ、さらに立木の枯れ枝や樹皮下に営巣する樹上性ものも多く見られます。
キャンパス内で一緒にアリを探索し、短い時間の中でも多くのアリ類が容易に見つかることを実感しましょう。
日時: 2018年8月26日(日)13:00 – 17:00
講師: 寺山 守 ・ 久保田 敏
場所: 東京大学駒場キャンパス・21 KOMCEE East 1階入口前 集合【地図】
・講義は21 KOMCEE East 3F 生物実験実習室3にて行います。
参加費: 無料
第2回 「アリを観よう!」
第2回は、博物館でもご活躍されていたアリの専門家と現役のアリ研究者を講師にお招きして、アリを観るときのポイントやその楽しさを教えてもらいます。
- 講義
公園、庭、道端などみなさんの身近には少なくとも4~5種類のアリがいます。今回の講義では、身近なアリの生態について一緒に学びましょう。それぞれの種類は、姿や大きさが違うだけでなく、生活の仕方も違います。今回は、代表的な身近な種類について、どのような場所に巣を作っているか、どうやって巣仲間と協力して餌集めをしているのか、アリたちはどうやって話しているのかなど、野外で観察できる生態について紹介します。 - 実習
アリは家族で生活しています。普段、野外で観察できるのは働きアリだけです。巣の中には、働きアリの他に、女王アリや卵、幼虫、蛹(さなぎ)などがいます。野外で巣の中を観察しようとすると巣を壊さなくてはなりません。この時には、逃げ惑うアリの姿しか見ることができません。そこで、巣の中のアリの生活の様子を観察するためには飼育する必要があります。この実習では、アリの飼育方法や飼育中のアリの家族を観察します。普段見ることの出来ない生きた女王アリをじっくり観察してみましょう。 - 野外実習
まず、大学のキャンパス内でアリの巣を各自で探してみましょう。地面に穴が開いているだけではアリの巣だとは限りません。その後、皆さんが探した巣のアリの種類を調べてみましょう。その後、アリに餌を与えてみましょう。餌を運ぶ、餌に集まるなどの行動だけではなく、餌をめぐって違う種類のアリが戦う様子なども観察できるかもしれません。
日時: 2018年9月29日(土)14:00 – 17:00
講師: 山口 剛・藤岡 春菜
場所: 東京大学駒場キャンパス・21 KOMCEE East 1階入口前 集合【地図】
- 講義は21 KOMCEE East 3F 生物実験実習室3にて行います。
参加費: 無料
お申込み
こちらのフォームからお申込みください。(このイベントは申込みが必要です)
注意事項
- 定員は各回それぞれ30名程度です。参加希望者が多い場合には、申込みを締切らせていただくことがありますので、ご了承下さい。
- どちらの回も大学構内での野外での観察を計画しています。ご参加の際には、熱中症や虫さされの対策を各自お願いいたします。
お問い合わせ
東京大学教養学部附属教養教育高度化機構科学技術インタープリター養成部門
Email: info[at]science-interpreter.c.u-tokyo.ac.jp/ ([at]を@に変えてください)
URL: http://science-interpreter.c.u-tokyo.ac.jp/